こんにちは、鉄です。
先日、ヤマダホールディングスの株主優待改悪という記事を書いて、私自身もダメージを
受けたことをご報告しましたが、追い打ちをかけるように今度は日本たばこ産業(JT)の
減配のニュースがでました。
2021年2月9日に行われたJTの決算発表において、2021年は一株当たりの年間配当金を
130円にするということが発表されました。
2020年の年間配当金は154円でしたから、一株当たり24円、15.6%の減配となりました。
またJTは「経営計画2021」の中で「配当性向75%を目安とする」と発表しています。
今後も業績が回復しなければ更なる減配も予想されます。
株主優待と配当金投資を目指している自分にとっては悪いニュースが続いていますが、
今後も方針はそのままで行こうと考えています。
日本たばこ産業(JT)の配当金推移
JTは以前から高配当銘柄として有名であり、近年、配当性向が高くなりすぎていることは
話題になっていました。
配当金支払総額/当期純利益×100 又は、一株当たり配当金/一株当たり利益(EPS)×100で
配当性向は求められます。
得られた利益のうち、どのくらい配当金として支払うかという指標になります。
普通の企業では配当金を支払いつつも、未来の成長のために投資する資金として利益を
残しておく必要があるので、配当性向は30~40%程度が多いイメージです。
一方で日本たばこ産業の配当性向は2016年以降、50%を超える水準で推移しています。
これはたばこ事業自体が寡占市場であり、参入障壁が高いこと、また成熟した産業でも
あることから、たばこを製造するために大きな設備投資が不要であることなどが
要因として挙げられ、海外のたばこ関連企業も高配当性向、高配当の企業が多いです。
(米:アルトリアグループ約76%、米フィリップモリス 約90%、英 ブリティッシュ
アメリカンタバコ約63% 等)
国内のたばこ需要が伸び悩んでいることもあり、日本たばこ産業は海外のたばこ
関連企業を買収、海外市場へ成長を求めています。(売り上げベースで世界のTOP5)
そのため近年では海外の売り上げも重要になってきていますが、先進国でもタバコ
需要は徐々に減少しています。
一方、タバコには依存性がありますから価格を多少引き上げても、極端に販売本数が
減るという事態が起きにくく、需要は減りながらも収益を確保しているという構造です。
日本たばこ産業(JT)の2021年の見通し
2021年2月の決算資料の一部に2020年売上実績と2021年の売上見込みのデータが
開示されていました。
現在の日本たばこ産業は4事業を展開しているとはいえ、医薬品事業・加工事業は合計で
売上の10%程度、たばこ事業が約85%を占めています。
その内訳は国内が約25%、海外が約60%で海外の売上比率がかなり大きくなっています。
海外売上高が大きい場合、為替変動が業績に影響を与えます。
円高が進行しそうな状況では、利益を圧迫する可能性があります。
新型コロナウィルスの影響があった2020年は、喫煙習慣が健康リスクになりうるということも
あってか、国内では前年比で-9.3%と大きな減少となっています。
2021年の見込みでは、ある程度新型コロナウィルスの影響は減少するものの、急速な需要な
回復は見込めず、売り上げ収益は前年比並みから微減といった予想になっています。
日本たばこ産業(JT)の株主還元方針の変化
2020年2月と2021年2月の決算資料を見ると、経営資源配分方針の記載内容は変化していません。
- 中⻑期に亘る持続的な利益成⻑に繋がる事業投資を最優先
- 事業投資による利益成⻑と株主還元のバランスを重視
(経営計画2020、経営計画2021から一部引用)
一方で株主還元還元方針については記載内容が変化しています。(経営計画2020、経営計画2021から一部引用)
経営計画2020(2020年2月度)
- 強固な財務基盤を維持しつつ、中⻑期の利益成⻑に応じた株主還元の向上
- 1株当たり配当金の安定的/継続的な成⻑
- 自己株式取得は、事業環境や財務状況の中期的な見通し等を踏まえて実施の是非を検討
配当金については「中⻑期の為替一定調整後営業利益の成⻑率の見通しを
基本としつつ、当期利益の水準も勘案」の注記あり
経営計画2021(2021年2月度)
- 強固な財務基盤を維持しつつ、中⻑期の利益成⻑を実現することにより株主還元の向上を目指す
- 資本市場における競争力ある水準として、配当性向75%を目安とする
- 自己株式の取得は、当該年度における財務状況及び中期的な資金需要等を踏まえて実施の是非を検討
配当性向に関しては「±5%程度の範囲内で判断」の注記あり
経営計画2020の「配当金は安定的/継続的な成長を目指すけど、当期利益の水準を検討に
入れる」という注記の内容の通り2019年の1株当たり配当金154円に対して2020年は
154円と維持されました。
一方で経営計画2021では±5%という含みを持たせたものの配当性向75%を目安とすると
方針を発表しています。
2021年の予想配当金は130円と発表していますが、配当性向は96.1%です。
もし今後も一株利益(EPS)が135円から上昇しない場合、配当金はさらに減少していく
ことになります。配当性向70%、75%、80%の場合、配当金は以下になります。
ただ、JTも利益を上げるために様々な施策を行っていくと思われますので、何とか業績を
改善していってほしいと思っています。
ただすぐに成績がV字回復するのは難しいと思いいますので、今後数年は一株当たり
100円程度までの減配、それに伴う株価の下落を覚悟しておいた方が良いかもしれません。
私の投資方針
2020年に私はNISA口座でJTを100株購入しています。
配当性向が高すぎるため、いつまでもこのまま継続はできないだろうから、いつかは
減配すると考えていたので、今回の減配発表はしかたないかなぁと思っています。
(ただ正直なところ、あと1、2年くらいは配当維持してもらえると思っていました。)
確かにJTは以前と比べて利益が出にくくなっていますが、現金を生み出す能力が
失われたわけでも、今まで積み上げてきた利益剰余金が無くなった訳でもありません。
今回の減配に関しては、自分が何もわからないまま高配当銘柄へ投資を行った
勉強代だと思って、今後の銘柄選定に生かしていきたいと思います。
一方で最悪、20年間持ち続ければ、投資金額は回収できると割り切って、株主優待を
貰いながら保有し続ける方針です。
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